フランス、ドイツとの国境都市バーゼルの南、ジュラ山脈のふもとにある、スイスの町ドルナッハ。アルケナ社は、そんな緑豊かな町にあります。
アルケナ社の始まりは、アルケナ社の代表・ホーファ氏が26歳のときのことです。ドルナッハにあるゲーテアヌム*で、オイリュトミーと呼ばれる独自の舞踏や演劇上演などのための劇場の背景を、植物原料で表現することを仕事としていました。天然の植物原料だけで色を作るのは、非常に難しいことでしたが、植物の色のやさしさに彩られた心地よい空間はたちまち人気を呼び、ホーファ氏のもとに内装の依頼が寄せられるようになったのでした。
さらに依頼を受けて、安全・安心な植物染めのシルクのカーテンを制作すると、こちらも大好評、1978年に植物染料を研究・開発するアトリエとしてアルケナ社を設立。その後も噂は広まり、1979年に第一号直営店をオープン。バリエーション豊かな草木染めの布地やスカーフ、毛糸などを販売し、海外からも注文を受けるようになりました。
1980年代には、絹紡糸(シルクノイル)を編んで作るニット製品・シルクノイルジャージーの本格的な生産をスタート。手頃な価格の新素材製品として、ヨーロッパで大ヒットとなりました。
1995年からは中国で四川・アルケナを設立し、1998年に世界初のバイオダイナミック農法による桑の栽培とオーガニックシルクの生産を開始。畑づくりから養蚕、商品の開発・製造、販売に至るすべてのプロセスで、環境へのやさしさを追求しながら、現在では、スイスでもっとも多くのシルクニット製品を取扱うまでに成長しています。
また、肌へ有効にはたらくシルクに着目して、化粧品の研究開発に取り組み、2007年に、世界初のオーガニックシルク配合の自然化粧品を発表。2008年からは、フェイス&ボディケアラインの販売がスイス・ドイツ・フランスでスタートしています。2008年からは、スキン&ボディケアラインの販売がスイス・ドイツ・フランスでスタート、その後2009年には、ヘアケアラインが、そして2012年、サンケアラインも、スイス・ドイツ・フランスと同時に日本でもスタートしました。
*ゲーテヌアム・・・ルドルフ・シュタイナーが提唱した人智学の拠点となる建物
衣服をまとうことは、からだを保護するためだけではなく、着る人の個性や人生観を表現します。化粧品やトイレタリー選びも然り。 アルケナのウエアや化粧品に接すると、自分が自然の一部であるという喜びを感じるはずです。その喜びは、アルケナを選ばれた人をきっと魅力的に映しだすでしょう。
アルケナ製品をご購入いただいた売上は、次の時代のためのエコロジープロジェクトに積極的に活用させていただいています。アルケナ製品をご使用になるとき、その行為がエコロジー活動を支援することにつながっているということを、少しだけ思い浮かべてください。
そんな心も満足する、そして生きる喜びにもつながるような製品をアルケナはお届けしたいと考えます。
エコロジカルな商品を作るためには、人と自然との調和だけでなく、人と人との関係の調和、つまり社会的な調和を保つことも必要です。
そのために、アルケナ社は、社員一人ひとりが、不当な扱いを受けることなく、人間らしく生きられるようなフェアな労働環境を整えることに心を配り、向上をめざす社員への援助も惜しみません。
そのようにして、アルケナの商品を求める方々のために働くことが、社員にとって、単に収入を得るためでなく、いつも喜びであるようにしていきたいと考えています。
アルケナのナチュラルウエアを、作る人も着る人も、誰もが調和の中で幸福を感じられるようにと、アルケナ社は願っています。
純粋な天然素材を得るために、アルケナ社では環境をできる限り傷つけない生産の在り方を求め続けてきました。自然は本来、姿を変えながら「いのち」を伝え続けていくものです。たとえば、桑の葉が蚕の食物となり、蚕の吐出した糸が繊維となり、衣服になっていく。そして衣服はいつか土に帰り、桑の木をまた育てることでしょう。 化学繊維や加工プロセスで合成物質を使用することは、このような自然の調和した円環を破ることにつながります。
アルケナ社では、自然への畏敬の念をもち、自らが自然の円環の一部となるような生産方法を行なっています。そのようにして、自然の「いのち」をいつまでも伝えようとしているのです。